トピック(鳥類)

ヤンバルクイナの保全に関連した取り組みについて

ヤンバルクイナは近年になって新種記載され、飛べない鳥として、沖縄島北部の通称やんばるを代表する動物としても広く知られています。90年代以降の本種の分布域の縮小や生息数の減少に対しては、沖縄県や山科鳥類研究所による生息状況の詳細な把握をはじめとして、環境省、関係機関や地域自治体、NPOなど多方面の協力や長年の取り組みによってヤンバルクイナの生息状況は改善傾向が見られ始めています。

ヤンバルクイナ減少の一因として指摘される外来獣の影響について、沖縄県と環境省は大宜味村の塩屋湾と東村の福上湖を繋ぐS-Fライン以北からのマングースの完全排除をめざし、平成12年度(環境省は平成13年度)から継続的に捕獲事業をおこなっており、マングースの捕獲数は平成19年度の619個体をピークに、平成28年度は78個体まで減少して捕獲地域の北側では根絶状態を達成しています。ヤンバルクイナの推定生息数は平成17年の約720羽から、平成25年以降は約1,500羽まで回復しており、捕獲事業により一定の効果が得られたと考えられますが、現在もマングースが捕獲されている南側の地域ではヤンバルクイナの生息状況が安定していないこと、このほかノイヌやノネコによるとみられる被害があること、ロードキルの被害も少なからず発生しており、関係機関等が連携して、今後とも必要な対策を継続していくことが重要となります。

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